綺麗なお口で何でも良く咬んで食事を楽しむ生活(口腔健康管理)は、健康寿命の延伸に繋がります。

竜ケ崎市馴馬町596   8時~12時 14時~18時 木日祝休診 予約制    


 ☎
0297-62-0707

生きる力をはぐくむ学校保健教育(スクール ヘルス プロモーション)

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一般社団法人 日本学校歯科医会「保健教育に関する専門研修」

日時 平成28年8月21日(日)10時40分~16時40分

場所 日本歯科医師会館(東京九段)

講師 明海大学長 安井利一 教授「専門研修における保健教育の目標」

   元東京都中央区泰明小学校長/元東京都教職員研修センター指導員 小暮義弘 先生「学校歯科保健教育の意義と展開」

   日本学校歯科医会常務理事 野村圭介 先生「ワークショップを通した学習指導案の作成」

 

「自己実現の手段としての健康づくり」

日本は世界に冠たる長寿国となったが、寝たきりなどの要介護状態を極力防ぎ、生涯にわたって自立した生活を送ることの出来る「健康寿命」の延伸が求められている。しかしながら、長期に及ぶ不適切な生活習慣が関連した肥満/糖尿病/脳血管障害/呼吸循環器疾患/歯周病をはじめとした生活習慣病の蔓延により、その実現には個人差が大きい。これら生活習慣病の素地は、学齢期から始まると言われ、学校における保健教育と健康習慣の獲得は、その後の人生を大きく左右する。

さて口腔領域において、戦後の高度経済成長期に社会問題となった所謂「子供の虫歯の洪水」は、口腔衛生の向上/人工甘味料の開発/フッ化物配合歯磨剤の普及など歯科保健/医療体制の充実によりほぼ根絶され、12歳児のDMF(う蝕経験)歯数は、昭和59年の4.8本から昨今は0.9本まで減少した。また、日々のセルフケアに励むとともに、定期的に検診&専門的ケアを受ける人々も増加しつつある。

ただし、小児期のう蝕は減ったものの、歯肉炎および歯列や咀嚼など口腔機能の未発達者の増加/スポーツドリンクなど甘味飲料の多飲による思春期以降におけるう蝕の多発/軟食に偏った食事などに対し食育の必要性も指摘されている。

「生きる力(生き抜く力)」とは、「自分で課題を見つけ/学び/行動することによって、より良く問題を解決する能力」であるが、歯肉炎をはじめ歯と口の疾患は、その状態と変化を直接観察出来る/原因と結果の把握が容易/解決行動は日常的/歯の生え変わりを通して身体の不思議や生命への興味を引き出せる/学級や家庭など周囲の人と共通の話題になり得るなどの点で、学校での保健教育に適した教材とも言われている。

歯垢が蓄積することによって生じた歯肉炎は、適切な歯磨きで改善する。放置すればう蝕になる要観察歯(CO)も、間食のコントロールやフッ素を併用した丁寧な歯磨きなどによりその進行を抑制することが出来る。この様な経験は、「自分の体は自分で気を付け大切に扱えば、それに応えてくれる!」という貴重な実感を与える。

家庭/学校/行政/社会が子供達の健康に関心を持ち、幼稚園・小学校での他律的な健康づくりをきっかけに、中学校・高等学校と発達段階に応じて自律的な健康づくりを身に着けさせる取り組みは、生涯にわたって生きる力を育む健康な国民を養うことに他ならない。

 

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